« ニュートリノと私 | トップページ | 鱸利彦 展/都城市立美術館 »

2014年10月28日 (火)

高齢者住宅 

  

Photo

Photo_2
高齢者社会であるので、いきおい高齢者がらみが経済の重要なテーマになっているのは必然のこと。
都城市にも高齢者は多数いますが、ある人が言うには、都城は地場経済が零細であり全国大手の企業がないので、厚生年金で食うには困らない高齢者の数の割合が他市にくらべて低いと。
そんななか、単身高齢者が安心して住める場をつくろうとして国もいろいろな施策を実施していて、高齢者専用の共同住宅として「サ高住」なる制度がある。
基準は住戸当たりの面積が25㎡(共有部があれば18㎡も可)であり、まあまあの広さだろうか。トイレは専有で設けなければならないが、浴室や台所は共用でもよしとされている。
サ高住とするためには、最低限、生活相談や状況把握などのサービスが付随している必要がある。
そんなこんなの高齢者住宅をある敷地で考えてみることになった。
その過程で知ったことは、年間約4000人が家庭の風呂で溺死しているとのこと。ほとんどが密室である風呂場での単身事故であるので(そうでなくちゃ死ぬことはない)正確な原因は解りかねるらしいが、その多くが高齢者であるということは、心臓系あるいは脳系の突然死であろうと推測される。
もしかしたら、わたしの経験から洋式のバスで体を横たえたときに足がすべっておぼれ死ぬのかなと考えてみたが、ひとりで風呂に入る能力のある人なら、そんなことで死ぬまでのことはないらしい。
とういことは、やはり突然の体調変化によるものだろう。ということはヒートショックがその原因の多くと推測される。
ヒートショックというのは、急激な温度変化による体調の異変であり、暖かい居間から寒いトイレ・浴室へ移動したとき、さらに肌をさらすことで体温の低下をまねき、体調に障害を起こすことです。
日本の家屋は木造のスカスカで断熱性がおとり、経済的にも貧しいことがあって、全室暖房というわけにいかず、居間だけの局所暖房が多かったことによります。
高齢者住宅を考えることで、あらためて断熱性の重要さを知ることになりました。そもそも、地球温暖化の観点からも、省エネは喫緊の課題でありますが、それ以上に年間4000人もの人が浴室で命を失っている原因のひとつになっているということがショックでもあります。
交通事故で年間5000人ほどの尊い命が失われており、交通安全キャンペーンは大切ですが、家庭での不慮の事故で年間1万数千人の人が亡くなっているというデータもあります。
でも、交通安全ほどのキャンペーンがそれに対してなされたことは寡聞にして知りません。
やはり建築はたいせつです。あらためて自分の職能について考えてみるいい機会になりました。

|

« ニュートリノと私 | トップページ | 鱸利彦 展/都城市立美術館 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。