« 断熱塗装/山之口の住宅 | トップページ | 日本の建築遺産12選 »

2011年8月28日 (日)

都城ワイナリー

霧島の麓、都城市の吉之元町にある都城ワイナリーに行ってみた。

観光地霧島でも人気の高い「高千穂牧場」の近くにあり、周囲は観光用の施設や店舗が建つ一角に「目立たずに」ある。

201108055730

屋根には千木(チギ)が載せてあり、霊峰高千穂への敬意を示しているのか?入口の小さな庇は唐破風になっているが、これも意図は不明だが、来場者への敬意を示しているのだろう。

201108055721 201108055724 201108055726

工場(ワイナリー)の内部。強大なタンクが数基鎮座する、天井の高い空間。タンク一基で数千本のワインに相当する。右端の写真は、ぶどうの実をバラバラにし、皮をむき、果汁を搾る機械。

201108055733 201108055736 201108055734 201108055735

ワイナリーから見える霧島山麓の中腹にぶどう畑はある。かつて都城市の運営する温泉があった場所の近くであり、晴れた日は桜島まで見渡すことができるロケーションのよい場所だ。

約3町歩の農場一面に広がるぶどう畑。左端の写真に2列だけビニールがかぶせてあるのが白ワイン用のぶどうとのこと。残りは赤ワイン用。このぶどうの種類はカベルネソーヴィニオンと日本の山ブドウを交配させて作ったオリジナルとのこと。高温多湿の南九州に適した種類をめざして開発されたものだ。

もともとは、10年ほど前に霧島工業クラブの会合において、山内氏がワイナリーの夢を語ったことからはじまった。2004年、クラブ会員有志の出資で都城ワイナリーが設立され、山内氏が社長に就任する。山内氏は市内でワイン店(酒店)を経営するワインの専門家でもあった。

こうして農場も手に入れ、ぶどうの苗を植え、いよいよワイン作りがはじまるのだが、試行錯誤、失敗やアクシデントを乗り越え、ようやく3年目に自前のぶどうによるワインが完成する。ただしこのときはワイナリーがまだできていないので、醸造は九州の他のメーカーに依頼。

そして、昨年、ようやくワイナリー施設が完備し、ここでのはじめての新酒も完成している。現在のラインナップは3種類あり、「amenouzume」「shinmoe(新燃)」「shinsyu(新酒)」である。「amenouzume」は白、2400円/本だが、現在売り切れ中なので秋の収穫を待つことになる。他の2つは赤で1600円。

amenouzumeはアメノウズメだろうから、高千穂神話の「天岩戸」で重要な役割を果たす女性神だ。ネーミングの由来は聞かなかったので知らないが、ホームページに『神々の降り立った地でいにしえの酒をつくる』がコンセプトであるとあった。岩戸の前の祝宴で飲まれた酒は、木の実(ぶどうも)から作られたものであろうとのことである。なるほど、すばらしいコンセプトである。

地域ワインが一時期ブームになったことがあり、県内では五ヶ瀬、綾、都農などが先行している。都城はそれに比すると後発ではあるが、ひとりのワイン通の夢が、有志を動かし、行政を動かし、自前の農場とワイナリーを持つまでになった。希有な事例だろう。世界的には、地中海沿岸などの雨の少ない気候帯でつくられるワインが主流だ。気候は変えられないので、知恵と勇気で南九州地域に適したぶどうとワインを作るしかない。焼酎もいいがたまにはワインもいい。いろんな酒が飲めることはすばらしい。

|

« 断熱塗装/山之口の住宅 | トップページ | 日本の建築遺産12選 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。