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2010年12月14日 (火)

伊東豊雄読本―2010

2010112548252 ADAエディター東京刊/2010.6/\2600

伊東さんは日本を代表する建築家のひとりだ。1991年に熊本の八代に未来の森ミュージアムをつくったあと、この20年間に数々の話題作を発表して日本の建築界の新たな潮流をつくってきた感がある。

仙台のメディアテークや福岡のぐりんぐりんなどが国内では有名だろうが、海外でもたくさんのプロジェクトを進めていて、とくに台湾では大型の作品が複数進行中とのことを本書で知った。また、自邸であったシルバーハットが今治市大三島に建設中の伊東豊雄ミュージアムの敷地内に移設されることになったことも知った。

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なぜか、本書の冒頭に都城市民会館が載っている。先回、遠藤勝勧さんの本と市民会館のことを取り上げたばかりだが、おもわぬところで市民会館つながりになったとおもったら、伊東さんも都城市民会館にかかわっていたそうだ。

伊東氏が菊竹事務所出身なのは知っていたが、年代的に都城市民会館とはラップしていないと思っていた。ところが、本書によると、菊竹事務所に入る前年の大学生のとき、夏休みに一カ月間、菊竹事務所でバイトをしたそうで、そのときに設計がはじまったばかりの市民会館の準備のためのリサーチを担当したとのこと。そのときのリサーチ結果の発表が好評であり、菊竹事務所へ行くきっかけになったのかもしれないとのことなので、建築家としてのキャリアをはじめるとっかかりが都城市民会館だったということになるのだった。

翌年から4年間、氏は菊竹事務所に在籍するのだが、市民会館の担当ではなかったようで、万博のエキスポタワーなどに関わったとある。へーと思いながら年譜を見てみると、氏は1941年生まれである。ということは来年で70才だ。まだ若手の代表選手のような気がしていたが、いつのまにか長老といっていい年齢である。でも、まだまだ作品が革新性を失わずにいるのはすごい。それとも、若手が元気がないのだろうか。

アメリカは建築家が輝きを失っているという。ヨーロッパはまだ健在だが「建築」に対する考え方の壁が抜きがたくしてあるといい、コストがからんできて、その一線を超えることに甚大な労力を要するそうだ。優秀なゼネコンの多数存在する環境に慣れている日本人には、日本でつくる以上のものはつくれないという。ところがその日本もムチャをする元気や包容力はなくなってきている。可能性があるのはアジアだそうだが・・・。

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