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2009年11月25日 (水)

ものぐさ庭づくり はじめの一歩

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「ものぐさ庭づくり はじめの一歩」斉藤 吉一 著、主婦と生活社、2009年10月刊、1300円

<<<< あなたは捨ててしまいたいと思っていませんか?面倒くさくて忌々しい「庭」っていうやつを!

写真集の庭は、非現実の世界。誰かの膨大なエネルギーによって支えられた、理想の世界です。>>>>

こんな刺激的な言葉ではじまる庭の本。庭の写真は有害であるとしていっさい載っていない。徹底しているのだ。

わたしも職業がら庭のことも少しは考える。「花木の家」では、アフラックのアヒルが踊るCMに出てくる庭がいいなとおもっていて、そう施主の奥さんに言ったら、「わたしもあの庭が好きなんです」ということで好みが一致した。庭は設計外だったのでわたしはタッチしていないが、きっと、樹木と草花に囲まれた穏やかで幸せな空間ができつつあるだろうと楽しみにしている。

ところが本書を読むと、手入れされた美しい庭を持つ人のなかには、庭から解放されたいと感じている人もいるようだ。実際には、美しいまま維持するには、草も生えるし虫もつくし、甚大なエネルギーを必要とするのだろう。自然はそんなに生やさしいものではない。とくに温暖な南九州ではそうだろう。

庭は自然ではない。人工的でよい。そんな自由な場所が庭である。著者はこう説く。たしかに、私自身は庭の手入れも草むしりもしないし、虫も嫌いである。でも緑や庭にはあこがれる。人間はわがままである。ほどほどに身の丈に合った庭がいちばんであろう。

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