祝上棟/花木の住宅
都城市に建築中の花木の住宅が大安吉日をまって棟上げとなりました。当日は好天に恵まれ、若い施主の晴れ姿が薄暮の空を背景に屋根の上に見えると、いよいよお待ちかねのセング撒きとなります。
地方によって呼び方が異なるのかもしれませんが、棟上げ時、屋根の上から餅や菓子、現金をまく習慣があります。現金は施主の年齢の数だけ撒くといいます。35才なら35万円はあんまりですので、3.5千円または35千円というところでしょうか。たいては小銭を白い紙に巻いてお菓子やモチと一緒に盛大に撒きます。さいきんは、くじ付きの撒き方もはやっているようで、撒いたお菓子などに番号札が付いていて、その番号札は豪華な景品と引き換えられます。上空から撒くには適さないものがゲットできるという仕掛けです。
セング撒きの前には、棟梁の手で神事が執り行われます。まず、棟の上がった建物の四方に供え物をし、お神酒をかけて清めます。施主や施工者たちが中央に集まり、棟梁の合図で神様に拝礼しお神酒で乾杯して終了です。下ではそのようすを、近所の老若男女がセング撒きを今か今かと待ちながら見守っています。
たいてい、夕方近くになると、弓矢のしるしと吹き流しが屋根の最上部の棟に立てられますので、目ざとい子どもたちは、それを目当てに集まってくるものです。わたしの子ども時代も、それは重要なイベントでした。たいてい、朝からクレーンがきて柱を建てはじめますので、きょうはどこどこで棟上げだ、という情報が子どもたちのネットワークで伝えられたりもしたものです。
セング撒きが終わり、喧騒が一段落すると宴会のはじまりです。隣近所や親戚知人から多数の焼酎が届けられ、職人さんや親戚の人たちと上棟を祝しての宴会がはじまります。かつては、ほぼ100%このような祝宴が行われていましたが、さいきんでは50%ほどでしょうか。ほとんどの職人さんが車でやってくるので酒を飲めないということもありますが、派手なことを好まない人もいますし、縁の薄い新しい住宅団地に家をつくったり、住宅のつくりかたのあり様や時代の気質によるのでしょう。そういうときは、弁当に焼酎やときにはご祝儀をつけて職人さんに渡すことが多いようです。
今回は夜の10時ごろまで宴がつづきました。気がついたら施主と工務店の担当者と数人だけになっていました。施主にとって、棟上げは人生の一大行事には違いませんので、そんなハレの場に立ち会える私たちの職業はハッピーといっていいでしょう。たくさんの関係者とともに上棟を祝うことができて、なによりのことでした。
これから一気に形ができあがっていきます。いい家ができるように気を引き締めてかかります。
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コメント
ナカタさん。南九大のエイサークラブに一緒に入りませんか。
唄って踊れる建築家になりたい。
投稿: ブロ長 | 2009年8月 6日 (木) 17時42分
誠におめでとうございました。宴会でエイサーを踊りたかった・・・。
投稿: ナカタ | 2009年8月 4日 (火) 11時25分