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2009年7月20日 (月)

焼杉製作/花木の住宅

花木の住宅の外壁は杉板貼りです。しかも、焼杉にしたいという声が建築主から聞こえました。宮崎県は杉の生産量は日本一を誇ってますので、杉板を仕上げに使用することは理にかなっています。しかし焼杉となると、既製品もありますが、あまり一般的な仕様ではないため、コスト的に無理がありそうです。そこで、建築主に焼いてもらうことにしました。

すでに、工務店への見積もり段階でこのことを明記し、作業場の確保と適切な助言・指導を工事内容に盛り込んでおきました。

建築コストを下げる一番の方法は、自分でやることです。建築コストの大半を占める人件費・手間賃は、自分でやればゼロになりますが、職人にやってもらう場合、そんなに下げられません。給料を下げることに匹敵しますので、合理化による圧縮は歓迎ですが、単なる賃下げは要求しません。

建築主はいくつかのテストピースをこしらえ、最適な焼杉の施工方法にたどりつきました。もともと技能系の職業についている人なので、作業のキモを的確につかんだようです。インターネットでいくつかの実例も調べ、参考にしています。

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まず杉板を木表(丸太の状態で木の表に近い面)が上になるように適宜並べ、ガスバーナーで焼きます。みるみるうちに板は焼け焦げていきますが、しっかり焼くことがかんじんですので、5枚を30分ほどの時間をかけて焼き、表面の3~5ミリを炭化させます。今回は重ね張りですので、横側の狭い面も焼く必要があり、裏面を除いてコの字状に3面を焼きます。

右から2枚目の写真は焼き上がりです。右端の写真は焼き上がりと、磨き後の仕上がりとを比較したもので、色が黒に近い方が焼き上がりです。

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焼き上がった杉板は黒々として神々しくもあり、わたしのイメージとしても、耐久・耐火性の点でも理想的なのですが、野原の一軒家ならともかく、住宅地の住居としては衣服などへの汚れが懸念されます。そこで、次に炭化した部分をこすり落とし、意匠的にも木目を浮き出させることになる磨きの工程を実施します。

はじめにデッキブラシで表面を粗く削りだし、炭の部分を粗くこそぎ落とします。左から2枚目の写真がその状況であり、木目が浮き立っています。次に亀の子たわしでさらに細かく磨きをかけ、さいごにかたく絞った雑巾で拭き取ります。これで、ほとんど手への付着は気にならなくなりました。強くこすりつければ別ですが、触れた程度では黒い汚れはつきません

デッキブラシはハンズマンで298円、亀の子たわしは300円ほどでした。ガスバーナーとボンベは知り合いから借り、プロパンガスの代金が1万円ほどでしょうか。まだ終了してませんので確定していません。作業時間は幅15センチ、長さ4メートルの杉板100枚を仕上げるのに、おとな3人で8時間ほどでした。今回の家(ほぼ平均的な戸建)一軒分で10人工程度になるとおもいます。

今回は建築主が行動派でしたので自作となりました。既製品だと坪あたり数万円というものもある焼杉ですが自分でやればはるかに安くできます。ただし、家づくりに自分がかかわることを嫌う人や、好奇心の旺盛でないひとにはお勧めしません。家づくりに積極的にかかわることを楽しめる人向きです。自分で作ったものは、多少のムラや傷があっても気になりません。買ってきたものだととても気になります。そんなところで、精神的にも効果があります。

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