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2008年12月29日 (月)

花木の住宅/地盤調査

都城市内で2件の住宅の設計が進行中です。どちらもY町にあるのですが、花木の住宅と名づけた方の敷地で地盤調査を実施しましたので立ち会いました。

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今回の調査方法はスウェ-デンサウンディング式(以下SSと略す)というもので、小規模な物件や住宅に使われる方式です。直径2センチほどのロッドを、ぐりぐり回転させながら、掘り進めていき、その回転抵抗から地盤の状況をコンピュ-タ-で解析していきます。1件につき3~4万円と手軽なことから、普及しつつある方式です。

本格的な調査ですと、ボ-リング調査といって鉄パイプでやぐらを組み、地層を抜き取りながら地盤の深さ50センチごとに規定のハンマ-で打撃を加え、30センチ沈下するのに要した打撃回数をカウントしていきます。これが標準貫入試験というもので、その打撃回数のことをN値といい、60をMAXとします。60数キロのハンマ-を75センチの高さから落として、60回でようやく30センチ沈むのですから、かなり強固な地盤であることが推測できるとおもいます。SS式でも解析により換算N値という数値が得られますが、こちらは推測によるものですので信頼性にはやや劣り、そのためか100をMAXとするようです。

鉄骨やコンクリ-トを想定した大型物件は別として、低層の木造住宅では、これまで地盤調査はほとんど実施されてません。しかし、近年は地盤沈下による住宅への被害が顕在化しており、来年の秋ごろから地盤調査が住宅でも法律で義務付けられることになるという話です。もしかしたら、土地の売買は地盤調査をしてからということになるかもしれません。軟弱地盤では基礎に多大な経費がかかることになりかねないからです。

かつては、住宅はその地域の地勢を判断して、強固な地盤の安全なところを選んで建てられたり、そうでないところはしばらく寝かして地盤を安定させたのちにつくるという生活の知恵が守られてきたのですが、高度経済成長のころから、なりふりかまわぬ宅地と建物の供給が進行し、経済と技術の発展が、かえって貧困と不良な住宅をうみだすというパラドックス現象があるのであれば、いたしかたないことにも思えます。また、かつての住宅は建築主が「つくる」ものでしたが、現在は「商品」でしかなく、坪あたりナンボで取引されるものであれば、その瑕疵と責任がとことん追求されます。

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若き施主は、この悠々としたロケ-ションが気に入ってこの地を求めました。花と木が好きということなので、とりあえず「花木の住宅」という名で設計をすすめることにします。もちろんロ-コストです。花木に囲まれた清廉で明澄な住宅を模索しているところです。

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