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2008年11月30日 (日)

建築の出自

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長谷川尭 建築家論考集 鹿島出版会 2008年4月刊 2500円+税

ちょうど1年前、長谷川氏を都城市民会館に案内した。氏は宮崎県立美術館で開催中のフラクタス展の特別企画「都城市民会館をみて」の特別講師として来訪したのだった。

その席で、かつて「神殿か獄舎か」の巻頭に都城市民会館のことを書いたと聞いた。そして、近ごろ復刻されたSD選書版には、ペ-ジ数のつごうで収録できなかったことも聞いた。「神殿か獄舎か」は長谷川氏の初期の代表作であり、1972年に出版され、当時の建築界に大きな衝撃を与えたようだ。残念なことに、「神殿か獄舎か」のオリジナル版は都城市立図書館にも宮崎県立図書館にも蔵書されていない。唯一、竹の会の運営する「建築図書館」にあったはずだが、昨年図書館が青島に移転した際、探してみたのだが見つからなかった。ネットでも探してみたが見当たらず、この本の都城市民会館の記述を見ることは、気長に探すしかないかとおもっていたら、本書が出版され都城の図書館に入荷したのだった。

長谷川氏はながく武蔵野美術大学の教員であったが、このたび定年退職となったそうで、それを機に出版助成金を活用して、氏のこれまでの論考の中から、日本の近代建築家に関する16編の論考を選び出し、2冊の単行本として出版することになったそうだ。この「建築の出自」ともう1冊が「建築の多感」である。

本書には6人の建築家が登場する。前川国男、白井晟一、山口文蔵、佐藤秀三、浦辺鎮太郎、菊竹清訓の順である。

本書で、ようやく「神殿か獄舎か」の都城市民会館への言及した部分を見ることができた。「降臨」という言葉で菊竹作品と都城市民会館のことを説明している。「降臨」とは、言い得て妙のいい言葉だとおもう。

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