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2008年10月16日 (木)

「木造建築の技術と魅力を語る」3

先日、技術について語った基調講演のことを記しましたので、今回は後半の「魅力」について4人の建築家が語った部分の感想を書いておきます。

2名の講師による基調講演のあとは、地元で活躍する4人の建築家が登場し、それぞれ自作や活動を紹介することで、木造建築の魅力について語ってくれました。その4人の建築家は、登場する順に、松竹昭彦、柴 睦己、高橋武則、川崎 晃の各氏です。みな、宮崎県を中心に、木造に限らず多彩な建築を真摯につくっている建築家ですが、都城の建築家がいないことが残念ではありました。

松竹さんは親しみやすい人柄であり、建築にかける情熱と愛情も感じさせる誠実な建築家です。建築主との信頼関係も良好なようであり、じつはこのことがもっとも建築家に要求される資質であるかもしれないとわたしは考えますが、そんな人物像を感じさせる内容でした。

柴さんは諸塚村という県北の山間部にある地区の木材に精通していて、ほとんどの仕事は山林に施主といっしょに行き、気に入った材を調達することにしているようです。その諸塚村の事例として、マツがどんどん立ち枯れている(おそらくマツ食い虫と推測しますが)ので、立派なマツをどんどん伐採している。しかも、需要がないので輸送・運搬に使うパレットの材料となっているようだ、という話がありました。もったいない話です。

高橋武則さんは、大黒柱の魅力を説いてくれます。氏は才気あふれる設計者であり、その作品はユニ-クなものばかりです。そんな氏の推奨するのが「高鍋大師」でした。大師のことは以前聞いたことがあったたのですが、すっかり忘れていました。宮崎県の文化資源として「いちばん」のものだ、という氏の言葉に誘われてネットで調べてみたところ、やはり、すばらしいところのようです。ぜひ、近いうちに行きたいとおもいます。

さいごは川崎晃さん。この人はこれまでの3人とは若干作風が異なり、モダンと形容することがもっとも適当な表現なのかわからないが、木造を木造らしさととして意識させない表現と言っていいのかもしれないし、シンプルな意匠を追求することに、木造も鉄骨もRCも関係ないことであることがわかる。

番外編として、講演会のあとに階下のギャラリ-で同時開催されていた、やはり県内の建築家の展覧会にての印象を。会場の「茶夢茶夢ギャラリ-」には、上記4人の建築家を含めて、9人の建築家の作品が各ブ-スごとに紹介されている。

甲斐さんという宮崎市の建築家のブ-スには、ヒラキという瓦屋根下地に使う杉板を薄くスライスした素材をエビのシッポ状に造形し、そのなかに杉の葉と草花をあしらった生け花作品とおぼしきものが置いてあった。「ぼくは建築模型を作らない主義ですから」「なにかないと寂しいとおもって」とは甲斐氏の弁。さすがは、お花の師匠の資格をもつ甲斐さんらしいプレゼンテ-ションであった。

建築家は模型を多作し、重要視する人が多いが、一般の人にはわかりづらいという意見もあるという。考えてみれば、ミニチュア化された住宅を、巨人の視点で俯瞰することは実際にはないわけであり、模型よりも室内外の状況を実際の視点で透視図(パ-ス)またはCGで表現してあげた方がシロウトと言うか一般の人にはわかりやすい面もあることは理解できる。むしろ、建築模型というのは、建築家がその形態を確認し、チェック・調整するためのものという側面もあるし、精巧な模型ができた時点で、設計が終了したように錯覚あるいは自己満足するためのものであるのかもしれない。でも、わたしは模型は好きであり、設計の完成度を高めるためと、建築主に確認してもらうためのツ-ルとして、今後も使いつづけるでしょう。

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