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2008年3月 1日 (土)

スペイン扇の作り方

さいきん、スペイン扇づくりに追われています。

時代劇では、食えない武士が内職に団扇や扇づくりの内職にはげんでいたりして、なにやら似ていないこともありませんが、この3月9日に開催される都城シティオペラの記念オペラ公演「カルメン」で使用する小道具です。

わたしはこの団体とはお付き合いがあり、これまで数回の公演に小道具など裏方としてかかわってきまして、今回もこの扇をはじめ、小道具全般の製作を依頼されたわけです。もちろんボランティアです。

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扇の作り方です。まず、骨組をつくります。材料はリップルボ-ドという色付きの段ボ-ル紙にしました。段ボ-ルなので細かい波がほどこされていて、細く切っても強度的に使えるのと、いろんな色があること、もっとも重要なのは手間がかからず安いことです。ほんとうの扇は、竹の骨が20数本入っているのですが、今回は手間と予算と紙の厚さを考慮して14本から15本にします。

このリップルボ-ドを短冊に切り、片側に針金を通して扇の形にひろげます。

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つぎに、型紙に合わせて切りぬいた布や紙を貼りつけてできあがりです。いちおう、開いたり閉じることもできますが、なにせ紙製のちゃちなものですので、勢いよくバサッというわけにはいかず、閉めるときは一本づつ手で折りこんでいく必要がありますが、今回のものは飾りとして見せるための扇であり、開け閉めの機能は要求されていません。

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写真左は黒いレ-ス地を、右手のものは水色のラッピング紙を貼りました。レ-スを貼ると高級感がでますが、値段がちょっと高くつきます。今回は予算が厳しいので、安い紙と衣装用の布の残り物ですますことになりそうです。

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こちらは本物のスペインのフラメンコ用の扇子です。カルメンにはご承知のように、闘牛士とフラメンコダンサ-たちが登場します。先日、練習場を訪ね、踊り子さんから本物を見せてもらいました。通常の和風の扇子は半径が20センチほどしかありませんが、このフラメンコ用のものは30センチもあり、かなり大きなものです。日本のものとおなじく、透かし彫りをほどこした竹の骨に布を貼ってあります。値段は、安いもので3千円から4千円、写真のように骨に透かし彫りをして、両面に化粧をほどこした高級品は7~8千円とのことです。

今回は、紙製の扇を30本ほどつくりますが、その総額予算が4~5千円ですので、いかに苦労しているかわかることでしょう。

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3月9日の公演がせまっているのに、なぜ今ごろまで作製に追われているかというと、当初、扇はステレンボ-ドに色紙を貼りつけたもの(上の写真)を準備していたのですが、先月末の演出家との打ち合わせで難色を示されたからです。演出家は骨組と布による透ける感じを重要視していました。これではまったく透け透けにはなりません。舞台用ですので、デフォルメ感覚でわたしはヨシとしていたのですが、求める機能とイメ-ジが異なっていました。また、和型を参考にしていたので小さかったこともあり、全部作りなおすことにしたものです。

演劇において、演出家の思想は至上であり、最大限尊重したいとおもいます。建築において、建築家が果たす役割と重要性ををそこにだぶらせて考えています。いま、公演をあと1週間後にひかえ、稽古は佳境に入っています。この扇は、3月7日の舞台テスト(場当たり)までに用意するように求められていますので、もうしばらく、内職よろしく製作に励むことになりそうです。

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