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2008年2月15日 (金)

韓国美術のリアリズム

現在、都城市立美術館で「韓国美術のリアリズム」展が開催されています。3月16日までです。

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韓国はいまでこそ民主化がすすみ、昨今の韓流ブ―ムもあって、軍事独裁政権的な印象が薄くなっているが、1980年代後半までは、反体制的な芸術家に対する拷問もあったそうで、(今でもあるのかもしれませんが)それを主題にしたショッキングな作品も展示してあります。過酷な拷問にも屈することなく、表現を続ける彼らの「強さ」に感じ入ります。

わたしは、絵でも音楽でもメッセ-ジ性の強いものはあまり好みません。音楽でいうと、サザンの「おんな呼んで抱いてもんで・・」の世界を好みます。「がんばれ」とか「環境」「人権」などを声高に主張するメッセ-ジ性の強い作品には、ちょっと引いてしまうのですが、今回の展覧会は、「民衆による民衆のための美術」だけを勢ぞろいさせたにもかかわらず、心地よい感動を得ました。

韓国では民主化闘争のさいに、絵やメッセ-ジを込めた巨大な垂れ幕が多くつくられ、大学の講堂や広場、沿道に掲げられたようです。あまりに大きいため、展示はかなわず、映像でそれらが紹介されているコ-ナ-があり、スゴイとおもいました。そのパワ-に惹かれました。

美術というと、一部の愛好家のためのエリ-ト的なものだったり、作者の自己満足に満ちたひとりよがり的なものだったりするのですが、今回の展示をみて、衣食住の延長腺上に、生活と同居してある美術の存在、そして闘うことの尊さを感じたわけです。これらは、建築の世界にも通じる部分があり、これみよがしの権威的なものや、オリジナリティあふれるセルフビルド的なもの、その地域・土地の固有性に着目した土着的なものなどいろいろありますが、やはり、闘っているものが強く、美しく、感動を呼ぶわけで、いい意味で刺激を受けた展覧会でした。

作品のなかに、現在裁判中であり、押収されているということでレプリカが展示されているものがあり、なんでも、作品全体が韓半島を構成していて、上部に金日成氏の実家が描かれ、北の豊さと南の貧しさ的なことを意図しているとして作者及び作品の違法性が問われているそうです。作品(レプリカですが)をみて、わたしにはまったくそんなふうには見えませんでしたが、仮に意図していたとしても、これで逮捕されるという現実に国家の怖さを感じます。かつては、日本もこんな時代があったのでしょうか、解釈しだいで恣意的に処罰可能な法律の存在はたまらないことです。

「統一」と「開放」という枷がはめられた韓国の厳しい現実を感じますが、別の日に開催された講演会で、黒田さんという福岡アジア美術館の学芸員氏のレクチャ-を聞いたところでは、韓国のア-トシ-ンはたいへん賑わっているようです。お隣の中国と韓国の盛況のかげで、日本の美術界なんて置いてけぼりの状況のようです。いつまでも東京ばかり向いていずに、もっとアジアに広く視野を向けた方がよさそうです。

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