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2005年7月25日 (月)

テルボの本と建築

『天下無双の建築学入門』 藤森 照信 著

 著者はおなじみの建築探偵・藤森さん。建築史が専門だが、実作もいくつかものにし、それが衝撃的な作品ばかりであるものだから、いっぱんの建築家よりも前衛的な実作建築家でもある。前衛といっても、この人の場合は縄文という超時代的な前衛であるが。先日も新聞に氏の近作が紹介されていた。木の上にゆらゆらと載っかている、まさしくツリ―ハウスである。広さは3畳ほどの書斎らしいが、写真で見ると、まさにおったまげの衝撃的なものだった。「また、うちのテルノブがへんなものをつくって」とは氏のお父さんの言葉。でも、この作品は氏の今までのどの作品より評判が高いようで、見学者が引きも切らない状態とか。正直、わたしも身に行ってみたいとおもう。
 なにしろ、空中に高だかと持ち上げられたその高さは6メ―トルあり、一本の古いくりの木をもってきて埋め込んだその上にこの小屋が乗っかっているのである。「高過庵」というのがこの小屋の名称。文字どおり高すぎるからである。途中のクリの枝に掛けられたハシゴを利用して小屋に出入りするのであるが、風がふくたびゆらりゆらりするらしい。
 こんな氏の建築学だけに「天下無双の」というタイトルがついて当然であり、それくらいの豪快な性格が氏の持ち味であることは、友人の赤瀬川氏の自宅、ニラハウス建設の顛末を記した「我輩は施主である」で知っていた。施主に言わせると、藤森教授は超一流の野蛮人である。野蛮人ではあるが、この人は古今東西の名建築をすべて見てきた人である。実際的な体験と、それに裏打ちされた理論も一流であり、独自の豪快な性格で藤森氏の建築学を構築している。そんな人物の本がつまらないわけがない。

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